2005年08月

問題がすり替えられている

 8月も今日で終わり。昨日まではただお布団の上にごろりと横になって眠っていたのに、明け方、寒さで目が覚めた。無意識のうちにガーゼケットを身にまとっていたらしいが、それでは足りなかったのだ。もぞもぞ起きて押し入れの肌布団を引っ張り出して、もうひと眠り。さらば、さらば熱帯夜! である。

 ニュースといえば衆議院選挙関連ばかり。うんざりしながら、それでも耳を傾けていたら、小泉ポチの奇妙な演説が聞こえてきた。

「郵便局のサービスは、民間人ではできないのか、なぜ国家公務員でなくてはできないのか、改めて国民の皆さんに聞いてみたい。」


 は? 郵政民営化って「職員の身分問題」が焦点だったか? そんなわけはなかろうと、付け焼き刃で民営化法案を調べた。下に引用したのは内閣府のサイトにある「郵政民営化法案/概要」の一部分。URLも書いておく。 www.kantei.go.jp/jp/singi/yuseimineika2/houan/2005/gaiyou.pdf

最終的な民営化の実現(遅くとも平成29年(2017年)4月1日)
○最終的な民営化時点における組織のあり方
・郵便貯金銀行、郵便保険会社については、一般の商法会社であり、他の民間金融機関と同様に、銀行法、保険業法等の一般に適用される金融関係法令に基づき業務を行う。
・特殊会社である日本郵政株式会社等の3会社について、必要な監督を行う。
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プラネタリウムにゃ縁がない?

 8月最後の日曜日、朝から阿倍野ヒューマンドキュメンタリー映画祭にでかけた。お目当ての作品は、「トントンギコギコ図工の時間」。東京都品川区のある公立小学校の図工の授業を2年間取材し続けて作られた映画だ。去年、同じ監督(野中真理子さん)の映画「こどもの時間」を、この映画祭で見た。こちらは、埼玉県にある「いなほ保育園」を5年間にわたって追いかけてできた作品。広大な原っぱで鼻水たらして遊び回り、ほっぺたを真っ赤にして手づかみでものを食べる子どもたちの姿に、昭和20年代にタイムスリップしたような気にさせられたものだった。そのとき、「トントン…」の話しを聞き、1年間待っていたというわけだ。

 詳細は、リンクを張ったホームページでご確認を。どちらの映画もまだ全国での上映会が続いているので、興味を持った方はチェックしてくだされ。観終わって楽しく気持ちのいい映画です。

 ごきげんで会場を出て梅田へ。久々にねぎ焼きやまもとへ。食後、コーヒーを飲んで、さて、と、大阪市立科学館へ向かったのだが…。

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2005年夏の新しい習慣

 台風が通り過ぎたら、また猛暑が戻ってきた。ふーふー。
 午後の西日を避けて、今日もお出かけ。道すがら、今年初めて習慣になったことをつらつら頭に浮かべていた。

  1. 雨傘、日傘として活躍(笑)

     まぶしい日射しを避けるために、しばらく前まではサングラス&夏の帽子を愛用していた。でも、老眼鏡を使うようになると、サングラスとのかけ替えがめんどうに感じられる。サングラスをやめたころから帽子もやめて、熱射にさらされるままにしていた。

     寄る年波か(笑)、今年の日射しがきついのか、たまらんなぁという日々が続いたので、大事に保存しているサングラスと帽子を出してみた。サングラスは、今年流行らしい(ゲーノー人がよく使っている)大ぶりのもの。帽子は…すっかり焼けていた。もともとチョコレート色なのでいいんだけどね、それで。

     鏡の前でためつすがめつした結果、却下。代わりに、一度やってみて快適だった「雨傘を日傘として活用」路線を採用している。で、今日、傘を広げた時に、「新しい習慣」という言葉が浮かんだのであった〜。

  2. 大阪市立中央図書館に通い始める

     今日出かけた先は、大阪市立中央図書館。前回借りた本を返すためだが、同時にまた4冊借りてきた。思いがけなく品揃えが豊富なのだ。たとえば、6月初旬に私が関大図書館にリクエストした○○教授の新著。リクエストはすぐに通ったのだが、3か月近く経った8月27日今日現在、いまだに「整理中」の段階で借りることができない。あきれるよなー、この仕事の遅さには。自分とこの教授の著書もスムーズに購入ー配架できんのはなんでや?>関大図書館。市立中央図書館には、当たり前のように、とっくにこの本が書棚に並んでいるというのに。
     
  3. ペパ湯レギュラー化、しかしキャンドルは…

     ペパーミント茶を入れたあと、使った茶葉をお風呂に放り込んでペパ湯を楽しむのも、日常になった。最初の数日は、お茶パックから茶葉がはみ出してしまったが(笑)、お風呂に放り込む前にお茶パックを2重にすることで解決。

     ただ、キャンドルの方は、マッチが見つからないまま(毎日買い物をしているのに、真面目に探したことがない)、点火するのがめんどうになってしまった(わはは)。その結果、洗面所の天井灯を頼りの薄暗い入浴が続いている。読書しないのなら、これはこれで問題なし、である。

  4. オヤジ食進む(とほほ)

     週のアタマに、ケンタのチキンが食べたい症候群を発症。しかし、案外少ないのだよな、ケンタの店舗は。しかも、交通至便とは言い難い。梅田店(?)は、JR大阪駅から10分近くかかるところにあるし。塾帰りで大空腹を抱えている身としては、あの距離がしんどい。ケンタにはビールがないので、「お持ち帰り」して深夜に食べることになるからなおさらだ。

     懲りない私は、塾と梅田との途中駅にケンタがあったような気がして下車。うろうろ探しまわったが、な、な、ない…。帰宅して分かったのだが、ケンタがあるのは隣り駅であった。ただし、閉店が早い店舗で、どうせ購入できなかったのだが。

     うつろな目で鶏唐揚げを探す私の目に入ったのが、天下の王将であった。しかも、「本日、生ビール350円」とある。をほほっほ! 店内には「酢豚フェア」の張り紙。その連想で「酢豚セット」を注文した。

     いやー、カンドーしたのは店長さんならびにスタッフの働きぶりである。王将なんて久しぶりだけれど、こんなによく働く3人を見たことがない。店長さん(だと思う。厨房で大鍋を振っていた)はまだ20代前半とおぼしき男子。2人の女子バイトへの指示も的確だし、口より先に身体が動く人だ。気持ちよく、私は店を後にした。

     一昨日、塾の帰りに一緒になった講師仲間にこの話(ケンタを探してうんキロメートルの顛末)をしたら、最寄り駅前の中華料理店がいけますよ、と彼女。中華の好きな夫の誕生日にテイクアウトしたら、餃子を始め、すべてとてもおいしかった、と。

     それを聞いてやり過ごせる私ではない(<威張ることかい?)。昨夜さっそく、閉店30分前の店に滑り込んだ。バイトさんが水を持ってきていわく、「今日は生ビールと餃子と鶏唐揚げがサービスでお安くなっています」。おっとぉ〜! で、その3つを注文。同僚が薦めてくれただけのことはある。ひと目で自家製と分かる大振りの餃子も、鶏唐揚げも、実においしかった。

     生ビール中ジョッキ2杯と上記メニューで〆て1250円(!)。週末のみのサービスらしいので、夏期講習が終わったら縁がなさそうだけど、味は確かなので、またテイクアウトしようっと!


 人は貧しき中にもさまざまな楽しみを見出すものである(わはは)。4番目のオヤジ化は肥満につながる恐れがあるので、心して自制せねば。

私は「優しくない」センセーだった?(笑)


 非常勤で教えに行っていた大学の、学生ちゃんたちの成績が確定した。5人の講師で分担して講義を受け持ち、統一試験で採点。平常点と合わせて成績を出したのだが…。数日前、とりまとめ役の先生から電話があり、私の提出した成績表のままだと、うちのクラスの「不可」が飛び抜けて多くなるとのこと。びっくりした! 自分では甘いなぁと苦笑していたのに。

 厳しかったのは平常点の付け方である。配点は30点あったが、私はそれを、出席点1点(15回で15点)、レポート提出1点(12点)、その他3点と配分していた。満点の学生もけっこう多くて、このあたりで私は自分を甘いと感じていたのだ。学生ちゃんたちのレポートにはかなりの努力の差があったけれど、それは反映されていないわけだしね。

 他の先生方は、出席/欠席のみを基準に平常点をつけておられたそうだ。
 で、出席要件を満たしている学生の平常点を30点に底上げすることで、かなりの数の学生ちゃんが60点をクリアした(笑)。最高で12点の「底上げ」である。彼はレポートをほとんど出さずに「可」となった。ま、いっか(ははは)。

 不思議だったのは、成績がほぼ正規分布を描いていたことだ。学生は入学直後のプレイスメントテストの結果でクラス分けされたので、成績の開きはあまりなかったはずなのに、4か月後にはこんなに開きが出るんだもの。昔、森毅センセ(京大名誉教授)に聞いた「働きアリ」の話しを思い出した。

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「義を見てせざるは勇無き也」(笑)

 笑った。田中康夫ちゃんの政党に国会議員が足りないというので、もう一つの自民離党組政党から1人が移籍した。送り出した方の政党代表(かな?)がインタビューに答えて曰く、「我々は兄弟政党ですから。義を見てせざるは勇無き也という」心境だったそうな。

 「義を見てせざるは勇無き也」。このセリフ、そのまま、夏の高校野球で優勝し、いま野球部長の暴力問題で揺れている駒大苫小牧高校野球部の選手諸君に送りたい。スポーツキャスターの二宮某は、昨夜(23日夜)、NHKニュース番組の電話取材に応じて、「選手は被害者なのだから、優勝を剥奪するのはおかしい」と語っておった。そうか? 野球部員たちは被害者か?? 私はそれにまったく同意できない。

 2度にわたって暴力を受けた生徒は、どうやら野球部長と相性が悪かったようだ。で、報道を見聞きする限り、その野球部員が暴行を受けているとき、あるいはその後、野球部長の暴力を止めに入った部員(選手)や、暴力を止めるよう口頭その他で抗議or要求した部員(選手)の話しはまったく出てこない。ってことはつまり、他の野球部員は1人の部員が殴られるのを黙って見ていたわけだよな?!

 これこそまさに「義を見てせざる」「勇無き」状態ではないか?!

 運動部には体罰/暴力のイメージがつきまとう。だから、今回の「事件」を知っても何の不思議も感じなかった。上級生や部長や監督には絶対服従なんていう、くっだらねーしきたりを受け継いでいる学校/クラブが、まだまだ残っておるのだろうなぁと、うんざりしただけだ。

 そのような体質を批判も克服もせずにいる野球部員は褒められたものではない。しょせんどいつも、自己保身と個人的出世のこと(? 甲子園に出場して注目されて大学やプロ球界からスカウトされるってな意味)しか考えていないのだろうと、悪態のひとつもつきたくなる。こういう連中を「被害者」扱いするのは甘やかし過ぎというものだ。

 「未来の自分」のために野球部に居続けることを選ぶのなら、目の前の理不尽と闘えよ、ガキども! それすらできない連中に作り出せる「感動」なんて、しょせん薄っぺらなものに過ぎない(だろうと、数十年前から高校野球に興味を失っている私は考えている)。

女子大にまつわるエトセトラ

 まずはお知らせを。日本女子大から、「平塚らいてう賞」広報の依頼メールが届いた。来年は、彼女が日本女子大を卒業して100年になるのだそうだ。以下、届いたメールをそのまま紹介しよう。

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  第1回 「平塚らいてう賞」のご案内
 

 このたび日本女子大学では本学卒業の平塚らいてう氏(3回生)を記念した「平塚らいてう賞」を創設いたしました。

 本賞は男女共同参画社会の実現および女性解放を通じた世界平和に関する研究や活動の顕彰と奨励を図り、若い世代に対して平塚らいてう氏の遺志を継承することを目的としています。

 “男女共同参画社会の実現および女性解放を通じた世界平和に関わる活動や研究“をされていらっしゃる方に、ご応募頂けるようご案内いただければ幸いです。

 詳しくは、URLをご参照下さい。
   http://www.jwu.ac.jp/raiteu/

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 九州の田舎娘にとって、東京の女子大はまったく無縁の存在だったが、日本女子大、ならびに東京女子大を身近に感じたことが一度ある。中学時代に進路、適性テストを受けた時のことだ。 続きを読む

脳味噌を使うのは楽しい


 あー、楽しかった! 今日は、大阪教育大学天王寺学舎で開かれた「メディアリテラシー・フォーラム」に参加した。たぶん、いつも通っている(放大といっしょの)7階建ての美しい学舎で開かれるのだろうと思っていたら、あにはからんや。かろうじて残っている木造モルタルっぽい3階建て学舎が会場! ここってすごいのだ。廊下を歩けばミシミシ音がするし、夜ともなれば怪談が100個ぐらい生まれそうなおどろおどろしい雰囲気が漂っているのだ。案外、アスベストもふんだんに使われてたりしてね(ははは)。

 が、間違いなく会場はここ。そして教室内は、外見や廊下のたたずまいからは想像できないほど「今風のぺらぺら改装」が行われていて、クーラーもガンガンに効いていた。

 楽しかったのはもちろん、内容が私の興味にぴったりはまっていたからだ。朝9時半からフォーラム後の懇親会終了まで約11時間、あくびの1回も出なかったのだから、楽しさも分かってもらえようというものだろう。素敵な先生たちともいっぱい出会えてよかった。

 とはいえ、懇親会に残ったのは関係者の方が大半で、まったくの部外者は私1人だった(笑)。もう1人、初めて大阪に来たという東京人の男性もいたが、彼はメール/メーリングリストや関東・東海地方で開催された同種の研究会その他で、今回のフォーラムスタッフの方々と面識があったようだしねー。

 ちなみにこの彼を、私は秘かに「みずさわパート2」と名付けた(笑)。東京から大阪まで12時間かけて鈍行の旅をしてきた「鉄ちゃん」で(帰路は夜行バスだと!)、パソコン通信時代からの「おたく」で(わはは)、しかもなんと勤務先が、「通信システム、情報処理システムおよび電子デバイスの製造・販売ならびにこれらに関するサービスの提供」をしている、みずさわちゃんの勤務先と同一グループ会社だったのだ。こんなにも共通すれば、他に呼びようがないでしょーと、勝手に楽しんでいたわけだ。許せ>みずさわちゃん。

 今日は塾の日だったが、フォーラムのために休みをお願いした。明日からは夏期講習の最終ラウンドが始まる。気がつけば蝉の鳴き声がほとんどしない。代わりに赤とんぼを見かけるようになった。秋間近。今日は早めにお風呂に入って早めに寝るとしますか(と書く現在時刻は23時)。

女2人プラス1、エロスに当てられた(笑)


 HEBAちゃんからお誘いがあって、昨日は彼女の新事務所を訪問したあと自宅に移動し、まったり、というより賑やかに、ひと晩を過ごした。

 HEBAちゃんは事務所周辺や自宅近くのおいしいお店をいくつか候補に上げてくれたのだが、ビンボーはね奴は「デパ地下でお酒とお惣菜を購入して彼女のお部屋でくつろぐ」コースを選定。ブランチさんの勤務先のお惣菜(30品目のオードブル、春雨と海老のサラダ、海老クリームコロッケ、オクラともずくのねばねば<私が勝手に命名)を購入。奈良五條市たなかの柿の葉寿司(鯖)が7個だけ残っていたので、それも購入した。ビールは冷蔵庫に冷えているというので、白ワイン1本を追加して、自宅に初おじゃまである。

 HEBAちゃん宅では、きりきりちゃんちの「はねた」そっくりのうさちゃん=ネザーランドドワーフが、低い鼻をひくひくさせて私を迎えてくれた。名前は、うちのゼミの先輩(女性)と同名の「ぴっぴ」。昨夜は私を警戒していたが、今朝になると、自分から私のひざに乗ってきたり、私の手からクラッカーのかけらを食べたり。可愛いのぉー。

 話題は当然ながらあっちこっちそっちへと移動。おしゃべり女が2人揃うとかまびすしい。圧巻は、彼女のエロティックな話しだな(ははは)。セックスは人生に不可欠だという彼女と、乳幼児以外とのスキンシップには興味がない(昔は違ったけど)私とでは意見がま〜ったく合わないのだが、双方、好き勝手におしゃべりを続けたのであった。

 今日はゆっくり起きて、モーニングコーヒーを飲みながら(私だけチーズクラッカーの朝食つき)テレビを見ていたら、「いつみても波瀾万丈」で、HEBAちゃんならぬKABA.ちゃんの半生が紹介されていた。ここでもまた、私はエロスの奥深さ(?)にあぜんとすることになる…。続きを読む

シャッフル、シャッフル


 選挙運動が、なにやらむちゃくちゃになっている。
 ホリエモンは、自民党内部の反発にあったのか、無所属で立候補。京都では、公募で自民党公認候補に選ばれた女性(40代)が民主党の公募にも応募していたことがバレて、ひんしゅくを買っている。そうまでしてなりたいか、国会議員。もっとも、例の田中眞紀子さんは民主党の応援演説に立つそうだから、この女性だけがデタラメなわけでもない。

 民主党には元自民党員も多いし、労働団体(連合)は昔から国や経営側と「共存共栄」をめざしてきた。アメリカの民主党/共和党、イギリスの労働党/保守党ほどには、日本の2政党の違いは明確ではない。もっと何度もシャッフルをかけて、5つばかりの基本政策をもとにすっきり2つに分けたらどうだろうねぇ。

 ただし、労働党/民主党だからといって、対外的には「帝国主義的」に戦争を行うという事実は忘れない方がいい。ベトナム戦争を始めたケネディしかり(古い。笑)、アメリカとともにイラクに戦争をしかけたブレアしかり。

 小学生のころ、私はケネディを「いい人」と信じており、6年生の11月22日、家族で訪問していた親戚宅で、「ケネディ暗殺」を衛星中継で見た時には大ショックを受けたものだった。しかし、ベトナム反戦運動が高まる中で、物知りの友人に「ケネディがベトナムに戦争を仕掛けたのを知っているのか?!」と教えられて、またまた大ショック(笑)。私の2大政党制への幻想は、そこで終わってしまったのであった。

 そのあと? そりゃ〜、世界革命戦争勝利! 異議なしっ! ってな運動路線にはまったのでありますわよ(笑)。しつこく何度でも書くけれど、ウーマン・リブの記念碑的ガリ版刷り冊子『New 便所からの解放』(ぐるーぷ闘う女編)の末尾には、この手のスローガンがずらりと並んでいたのでありますよ。フェミニズムはこれとは無関係に生まれた輸入思想ゆえ、こういった過去に責任を感じる必要はないと思うが、リブを自称する私(たち)は、この路線から生じた連合赤軍問題を総括する義務と責任があることは、忘れていない。ずうっとさぼりっぱなしだけどね。

 

『分数ができない大学生』


 1999年に出た本だから、もう6年前になる。先日、市立図書館で「数学」の棚を眺めていたら目に留まった。塾で数学を教えていなければ向かわなかったであろう棚、借りなかったであろう本。実際読んでみると、いたってまっとうな主張をしている本だった。読まずに「批判」する輩がいかに多いか、ネットで検索してよ〜く分かった(笑)。

 タイトルになった「分数ができない大学生」とは、「大学入試で数学を選択せず文・社会・経済系学部に入学した、国公立中位以下の学生、ならびに、私立文系大学の学生」を指す。学校名は明らかにされていないが、私立経済学部の難関2校というのは、どうみても早稲田、慶應以外ではありえない(笑)。その早慶の、数学を選択しなかった新入生の2割強が、小学校で学ぶ分数計算や四則混合計算を解けなかったというデータが掲載されている。また、私立・国公立を問わず、教員養成コースでも、数学を入試で取らなかった学生の成績が悪い(高1までに学ぶ問題25問の正答率が約63、4%)。

 経済学の理論は数学を土台にしており、心理学、社会学でも、データ分析、解析など、数学の基礎学力が求められる場面は多い。にもかかわらず、それに適応できない学生が増えていることが、筆者たちの危機意識をつのらせたようだ。主張されているのは、主に下記のような内容だ。

1)高度化した社会を生きるために、すべての人に数学的素養を
2)そのために、小学校を20人学級にして児童1人1人に目の届く授業を
3)大学入試(あるいは大学入学資格試験的なもの)では、数学を必須に
  (英語、日本語、数学、社会=歴史、地理、理科=物理、化学、生物)
4)入試での偏差値信仰からの脱却

 目から鱗が落ちたのが、4)だった。私立大学がこぞって数学を入試から外した(選択制にした)のは、大学の偏差値を上げるためだったという。続きを読む
プロフィール

はね奴

京都市在住。本・雑誌・DVDの企画・制作。エッセイ講座講師。20代から、労働運動と女性運動の重なる領域に生息。フェミとは毛色が異なる。

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